top of page
執筆者の写真: FUKUSHIMA.H
FUKUSHIMA.H
2025年3月8日
読了時間: 4分

更新日:8月10日

ムスリムにとって大切なラマダン。日中の飲食を約1カ月間断つので、生活のリズムも変わる。日本で暮らすムスリムはどのようにラマダンの期間を過ごしているのだろうか。日没後の食事会で話を聞いてみた。


自分自身を強くする断食月


ムスリムにとって大切な1カ月がやってきた。ラマダンである(2025年は2月28日から3月30日まで)。ラマダンとはイスラム暦9月の約1カ月間、日が昇ってから沈むまでの間、水や食べ物をいっさい口にしない断食月のことだ。

ラマダンは日ごろ食事をまともにとれない貧しい人の気持ちを理解するための大事なムスリムの習慣。感謝の気持ちが自然に生まれてくるという。日常生活で、ついつい他人に対して怒ったり、嘘をついたりすることもあるが、ラマダン中は意識してこのような気持ちをおさえ、普段の悪い癖を直すチャンスであるとムスリムはとらえている。ラマダンは飲食を断つだけでなく、欲望をおさえ、意志を鍛えることで、自分自身を強くする。


ラマダンに理解ある日本人上司

日本に滞在しているムスリムはラマダンをどのように過ごしているのだろうか。2004年に来日し、現在大手電機会社に勤めているモハメド・アブバクルさん(スーダン出身、男性、33歳)は、普段は朝8時半には出勤。残業が多いため、退社は早くても20時で、時には22時をまわることもある。しかし、ラマダン中は夕方5時、6時頃には会社を出て家に帰る。

イスラム諸国ではラマダン期間中は学校も会社も午後3時頃には終了し、早めに家に帰るからだ。帰宅後は家でテレビを見たり、仮眠をとったりして、日没までの時間を過ごす。日没後に最初に食べる食事をイフタールと言う。

アブバクルさんは「上司がラマダンのことを理解してくれてありがたい。夕方4時頃が空腹で一番つらい時間帯だが、『今、大変なときで悪いのだが、この仕事をお願いできますか?』と上司が気遣ってくれるのが嬉しい」と言う。平日は仕事で帰宅が遅くなり、妻と一緒に家で夕食を食べることが少ないだけに、ラマダンの時こそなるべく早く仕事を終えて、妻とイフタールを取ることが楽しみと話す。

最初に食べるのは栄養価の高いデーツ(なつめやしの実)と、レンズ豆などの温かいスープ。その後、ジュースや水で水分を補給しながら、普段の食事と同じように野菜、ライス、肉などを食べる。「一日中、飲み食いしていないので、他の人からは一気にたくさん食べると思われますが、少しの量であっという間にお腹いっぱいになってしまうんですよ」と話していた。


理解されないがゆえの葛藤も

2010年に来日し、筑波大学大学院で日本語を専攻しているリナ・アリさん(エジプト出身、女性、28歳)は、現在、博士論文執筆の真っ最中。ラマダン中は午後7時を過ぎてからまず、デーツを食べ、牛乳やスープを飲む。お祈りしたり、休んだりした後、午後9時頃に軽く食事をし、夜中の2時半を過ぎる前に、翌日の断食に備えてバナナ、ヨーグルト、パンなどを食べてから寝る。

夕方になると疲労がピークに到達し、集中力がなくなる。あまりの空腹に、アイスクリームを山ほど食べている夢を見たことがあるという。日本ではラマダンについて知らない人が多く、ラマダン中といってもあまり理解されないことが多い。だからといって、ラマダンを理由に博士論文の執筆を遅らせるわけにはいかない。リナさんの葛藤は大きい。


深まる家族のきずな

日本とイスラム諸国におけるラマダンには大きな違いがある。イスラムの国ではラマダンは当たり前のことで、周りの人もやっているので自分も頑張れる気持ちになれる。それにイフタールは、毎日家族そろって食べる特別な食事で、普段より豪華な食事だ。時には親戚、友人、通りがかりの見知らぬ人も誘って大勢でワイワイ食べるのはラマダンの楽しみである。いわば、日本のお正月のようなお祝いの気持ちだという。

しかし、日本ではラマダンがあまり知られていないこともあり、一人で孤独に戦っているような気持ちで断食をしているムスリムが多い。日本の会社に勤務している、あるエジプト人男性は、「お昼休みに同僚が食べているお弁当の美味しそうなにおいが漂ってくると、たまに空腹に耐えられなくなり外に出ます」と話していた。


在日ムスリムのイフタールを開催

家族や友人と賑やかに過ごす食事が大事だから、日本に住むムスリムはラマダン中に大勢で集まって食べる夜の食事の時間を大切にしている。日本で約40年生活しているエジプト出身のヤハヤ・シューシャさんは、在日エジプト人コミュニティのまとめ役的存在。日本で生活するムスリムでイフタールを楽しみたいと思い、25年ほど前から皆が一堂に会する機会を設けている。


次回は.....

ラマダン明けに更新したいと思います。

現在の日本のイスラム教墓地について調べてみたいと思います。







 
 
 


清水霊園イスラーム墓地: 勝澤 洋(かつざわ ひろし)41歳

静岡県静岡市出身、2009年から清水霊園イスラーム墓地の管理、埋葬施工、墓設置などの仕事をしています。

2010年、勝澤洋(かつざわ・ひろし)さんが、日本の墓地環境に適応したコンクリート構造によるイスラーム埋葬方法を考案し、実際の埋葬に導入しました。

この埋葬方法は、イスラームの教えに基づく土葬を尊重しながら、日本特有の墓地環境や施工条件に対応することを目的として考案されたものです。

コンクリート構造を用いることで、埋葬時の施工安全性や周囲の土砂の安定、衛生面、維持管理などにも配慮した構造となっており、その後、日本国内におけるイスラーム墓地の関係者やムスリムコミュニティの間でも知られる埋葬工法の一つとなっています。

また、イスラームの埋葬には、出身国や地域によってさまざまな慣習があります。清水霊園イスラーム墓地では、一つの方式に限定することなく、それぞれの文化や埋葬習慣を尊重しながら、可能な限り希望に沿った埋葬に対応しています。

日本の環境に合わせながら、イスラームの教えや文化も大切にする。

勝澤さんが考案したコンクリート構造による埋葬方法は、日本におけるイスラーム埋葬の新しい形の一つとして、その後の墓地づくりにも影響を与えていきました。
静岡県静岡市清水区の新東名、清水いはらインターから、車を走らせること10分。周囲を山とみかん畑に囲まれた、のどかな丘陵地に清水霊園イスラーム墓地がある

とても整備されている、霊園です。
日本で最大級に大きい面積を誇るイスラーム霊園でした。面積は約20000坪
冬場は富士山も綺麗に見えるみたいです。春は桜がとても綺麗です。
勝澤さんと2時間程、お話しをさせていただきました。

日本のイスラーム埋葬のパイオニア的存在――清水霊園イスラーム墓地・勝澤洋さんに聞く

現代の日本におけるイスラーム埋葬の分野で、パイオニア的な存在として活動しているのが、清水霊園イスラーム墓地の勝澤洋(かつざわ・ひろし)さんです。

勝澤さんは、ムスリムの方々が日本で安心して暮らし、人生の最期まで安心して迎えられる環境をつくるため、埋葬に関する新しい仕組みや施工方法について、日々試行錯誤を重ねています。

勝澤さんは、日本におけるムスリムを取り巻く環境について、次のように話します。

「日本では、ムスリムの方々が急速に増えています。学校給食でもハラルへの対応が少しずつ進み、サービスエリアや空港などには礼拝スペースが設けられ、ハラル料理を提供するレストランも増えてきました。

ムスリムの方々が暮らしやすい環境、そして海外から訪れるムスリムの方々が安心して観光できる環境をつくるために、私を含め、イスラームに関わる仕事をしている人たちが知恵を出し合い、日本の社会に合った形を試行錯誤しながら、新しいグローバル社会をつくっていくことが大切だと思っています。」

勝澤さんは、イスラーム関係団体をはじめ、日本各地のムスリムコミュニティや大使館関係者などとも積極的に交流し、常に新しい情報を取り入れながら、新たな取り組みに挑戦しています。

私自身もこれまで、イスラームやハラルに関わる多くの方々を取材してきました。

10年ほど前と比べると、日本社会におけるイスラームやハラルへの関心は確実に高まっているように感じます。

ハラル対応の商品や飲食店など、新しいビジネスも次々と生まれ、全国各地にはモスクや礼拝施設も増えています。日本は少しずつ、ムスリムの方々にとって暮らしやすい国へと変化しています。

その一方で、まだ十分に整備されていない分野もあります。

その一つが、「亡くなった後の環境」です。

食事や礼拝、観光への対応が進む一方で、イスラームの教えに沿った埋葬を日本でどのように実現していくのかという問題は、これからの日本社会が向き合っていかなければならない大きな課題の一つです。

その最前線で、現場から新しい仕組みを模索し続けている勝澤さん。


今後のイスラーム墓地をめぐる課題

取材の中で勝澤さんが特に強く語っていたのが、今後の日本における「埋葬場所」の問題でした。

勝澤さんは次のように話します。

「これから大きな課題になっていくのは、ムスリムの方々の埋葬場所だと思います。日本でイスラームの教えに沿った埋葬ができる場所を探すことは、決して簡単ではありません。

日本には日本の文化や社会があります。その中で、地域の方々にも理解してもらえる『日本らしいイスラーム墓地』の形を考えていくことが大切だと思っています。

将来的には、一部の地域だけではなく、全国各地でムスリムの方々が安心して埋葬できる環境が整ってほしい。そのためにも、埋葬方法や墓地の仕組みをしっかりと構築し、日本で暮らすムスリムの方々が、人生の最期まで安心して暮らせる社会をつくっていきたいです。」

食事のハラル対応や礼拝環境については、日本でも少しずつ理解が広がっています。

しかし、日本で暮らす外国人が増えていく中で、「亡くなった後をどうするのか」という問題についても、これから社会全体で考えていく必要があるのではないでしょうか。

単に海外の文化や仕組みをそのまま日本へ持ち込むのではなく、日本の文化や地域社会との調和を図りながら、新しい形をつくっていく。

勝澤さんが語る「日本らしいイスラーム墓地」という言葉には、そんな考えが込められているように感じました。

イスラーム墓地の問題は、宗教だけの問題ではありません。

これからさらに国際化していく日本社会において、異なる文化や宗教を持つ人たちと、どのように共に暮らしていくのか。その一つの象徴ともいえる課題なのかもしれません。

取材を通じて感じたのは、勝澤さんが現在の問題だけを見るのではなく、その先の日本社会を見据えて活動していることでした。

「新しい時代に合った環境をつくっていきたい」

そんな思いを持ちながら、現場で試行錯誤を続ける姿がとても印象的でした。

勝澤さんはとても気さくな方で、終始楽しくお話を聞かせていただきました。

今回、快く取材を受けていただき、本当にありがとうございました。

これから日本のイスラーム墓地がどのように変わっていくのか。

そして、清水霊園イスラーム墓地と勝澤さんのこれからの取り組みに、今後も注目していきたいと思います。



 
 
 

 ムスリム(イスラム教徒)のための礼拝スペースが、静岡県、浜名湖SAと神奈川県足柄SAに設置されました。今年は、ゴールデンウィークは10連休と大型連休が多い年です。


約10~15平方メートルの礼拝スペースが設置され、礼拝マットや聖地メッカの方角を示すマークも備えています。気軽に礼拝もできますので是非活用していきましょう。



 
 
 

最新情報をお届けします

  • White Facebook Icon
  • White Twitter Icon
  • White Instagram Icon
bottom of page